タイトルの「発明家」という職業を見て、ドクター中松しか思いつかなかった私は負け組。
フライングシューズを履いた中松氏が、満面の笑みを浮かべて、しばらく頭の中をピョンピョン跳ね回っていらっしゃいました。
脳内から消えてください、お願いします・・・・・。
今日のホモ
「発明家に手を出すな」 烏城あきら(絵・長門サイチ) 徳間書店 キャラ文庫
平井将孝は発明家に代わって特許を申請する弁理士。
ある日、「世紀の大発明家」原田武之を担当することに。
絶え間なくアイデアが湧く噂以上の原田の才能に、将孝は惚れ込む。
でも現在開発中の薬剤の検証を、将孝のカラダでやりたがるのはなぜ!?
「ドクター中松じゃ萌えられない、他のもっとマトモな発明家をイメージしなくては・・・・」と、頭の中を探して、次に見つかったのは「キテレツ大百科」のキテレツ君でした。
全然だめナリー!!(by コロ助)
私の頭の中味は一体どないなっとんねんと半泣きになりながら、読み始めたこの作品。
作中に有名な発明家として、エジソンやレオナルド・ダ・ヴィンチやアインシュタインの名前が挙がっていました。
なるほど、外国勢の発明家を思い浮かべれば良かったんですね!
昔読んだ偉人伝では伏せられていましたが、彼らは皆、揃いも揃って変人だったようです。
特にエジソンなんて行動も電波なら、発言も電波。子ども時代の尊敬を返して〜。
でも、ライバル発明家のニコラ・テスラとのエピソードは密かに好きです。
才能に嫉妬する愛憎関係って、萌え。
エジソンとテスラ、二人の発明に対するノーベル賞(同時受賞)を、テスラが「こいつと同じ賞なんかいらねーよ!」と辞退したため、エジソンがノーベル賞を取りそこなった話とか、なんなのその強すぎる執着は・・・・とか思っちゃうわけです。腐女子ですから。
そんな変人だらけの天才発明家ですが、もちろん類に漏れず、この作品に出てくる発明家(攻め)も変人でした。
普通の男としての一面も徐々に見えてくるので、思ったより変人じゃないかも・・・・と書きかけましたが、やっぱりよく考えると変な人だと思います。間合いとか変だ。
ボーイズラブの攻めとして、そこは押せや!という局面なのに、自分の研究所で受けが来るのを待っていたり。おーい。
でもだからこそ、予測がつかなくて楽しかったですが。
受けはおとなしそうな顔をして、怒りだしたら口は悪いは手は早いは、これまたボーイズラブの受けっぽくない人でした。
尋常じゃない短気さで、なぜそんなに怒りの発火点が低いんだと驚きましたが、正当性のある短気というか、仕事に対して真摯だからこそ熱くなっているので、見ていて不快ではありませんでした。むしろ気持ちのいい男です。
あらすじに 「現在開発中の薬剤の検証を、将孝のカラダでやりたがる」 とあるので、攻めはあらぬ方向の薬を開発している変人、もとい変態なのかと思ったのですが、それに関しては全く心配することはありませんでした。
開発中の薬は、エロのエの字もない健全なものでした。 リーアップ!なアレです。
まぁ、エロい薬については、ホモエロ界のあちらこちらで開発が進められて、かわいい受けがモルモットにされてアンアンなので、それは彼らに任せておいたらいいと思います。
餅は餅屋。エロはエロ屋。
烏城さんの作品は、「許可証」シリーズは突出して大好きなのですが(先日発売の4作目もジタバタするくらい楽しみました)、ぶっちゃけ他はそれほどツボではない私です。
どれも読んで損は無いと思うのですが、テンションは上がらなかったんですね。
しかし、この作品は面白かったです。 萌えとはベクトルが違うのですが、これからどうなるんだろうと、ページをめくる手が止まらないかんじ。
ストーリー展開を重視される方は楽しめる作品ではないでしょうか。