近頃はやりのベルベット。
黒のジャケットを買いました。
どの店にもベルベットのジャケットは置いてあって、全て同じ素材に見えたのに、ブランドによって呼び方が違ったのが不思議でした。
ある店ではベルベット、ある店ではベッチン、他ではベロア、ビロードなど。
あれらは同じ物だったのか、違う物だったのか、気になったので調べてみました。
すると、ベルベットはビロードの英語読み、ベッチンは別名「綿ビロード」でビロードの一種、ベロアはベルベットのフランス語。
要はどこの国の言葉かという違いで、全部同じみたいです。
服飾業界では、織り方や糸の素材によって、この4つを区別しているみたいですが、説明がマニアすぎてよくわかりませんでした。
ビロードは日本での呼び名で、ポルトガル語(又はスペイン語)のベルードが訛って、ビロードになったようです。
そしてビロードは漢字で書くと「天鵞絨」 ・・・・・やっとホモ本に繋がった〜!!
今日のホモ
「天鵞絨の仮面」 松岡なつき(絵・櫻井しゅしゅしゅ) 小学館 パレット文庫
ルイ13世陛下直轄の、固い結束で結ばれた銃土隊に所属するアルノーとジャン。
人気者だが、銃士隊一の問題児にして色男のジャンは、美しいアルノーがお気に入り。
ある朝、ジャンの介添えとして決闘に出かけたアルノーは、王に反発するリシュリュー枢機卿に捕まり『イギリス子爵のアーサーを誘惑しろ』と命令され・・・。
松岡なつきの、もうひとつの近世フランスものです。
ルイ13世の時代ですので、「華やかな迷宮」に出てきた小姓とエロ三昧のホモ王の、次の次の王の時代になります。
詳しい年代はわかりませんが、あとがきによると「三銃士」の頃の物語らしいです。
さて、内容ですが、とっても良かったです。
エロい、エロい、エロい、最後はラブい。
ただ、受けは複数とエッチしないで派の人には、受け入れられない内容だと思います。
主人公のアルノーはスパイ活動のため、まず男を虜にする性の技巧を習わされ、情報を手に入れるためにイギリス子爵を誘惑するので・・・・。
そんなアルノーの影の姿を知り、苦悩しつつも想いを断ち切れない、親友のジャン。
このシチュエーションは、かなり萌えーでした。
既読の松岡作品の中で、エロに関して言えば、この作品が一番良かったです。
何故ならそれは、「ファルス」が出てこなかったから!!(笑) →
関連日記
今まで「ファルス」という単語が出てくる度に、「この表現はちょっと・・・・・」と引っかかって、気が殺がれていたのですが、無かったらスッと流れに乗れました。読みやすかったです。
男性のアレほど、様々な呼び名を持つものは無いですが、どの単語を使ったらいいかは、本当に選択が難しいですよね。
「ファルス」は気にはなるけど、笑ってしまうほどではないので、私的にはOKの範囲です。
私が読んだ本の中で最高に強烈だったのは、「YES・YES・YES」というゲイ小説で使われていた「ナルシス」でしょうか。著者は比留間久夫。
男娼である「僕」の一人称で語られる小説だったのですが、こんな風に使われてました。
エデンに加えられる快感と、ナルシスに加えられる快感が、互いに分離しないで、一つになってしまうのだ。 (中略)
僕はまるで自分が本当に「女」であるかのような錯覚に導かれた。だってエデンの「深淵」に、セレナーデを激しくかき鳴らされながら、本当に女のように、いくって感じになっていくんだから。
Pがナルシスで、Aがエデン。 凸がナルシスで、凹がエデン。
笑ってもいいですか。 この衝撃にはどうやって耐えたらいいのでしょうか。
彼は初体験前はアナルを「未知」と表現していました。そして経験後は「エデン」に昇格。
自分の肛門を「楽園」と比喩するなんて、なんという自信!!
さすがにこれは自己陶酔が過ぎていて、読めば読むほどドン引きでした。