ほもほも日記

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ピピピ 14106
そんな時代もあったねと。


今日のホモ

「恋をしている君たちへ」 麻生雪奈(絵・木下けい子) オークラ出版 アクア文庫

中学生の時、北の国から転校してきた、カナの無口な親友・侑斗。
高校生になったカナは侑斗に対し、「トモダチ」以上の感情を抱くのだが、今の二人の関係を壊したくなくて、自分の気持ちを隠していた。
ところがある日、カナが中学生の頃につきあっていた彼女・千鳥の存在を侑斗が知ったことから、次第にカナと侑斗のバランスが崩れ始めてしまう。


倒産した桜桃書房から出版されていた麻生雪奈さんの作品が、アクア文庫やラピス文庫から続々と復刊されています。
新書サイズの旧作を持っているので、復刊された文庫版はどれも買っていなかったのですが、今回の作品は麻生さんの作品の中で一番好きだったので文庫版も買ってみました。

静かな深夜に、ゆっくり噛みしめるように読み返してみましたが、やっぱりこの作品、今でも好きです。
丁寧に推敲されただろう文章に、詩的な表現が織り込まれていて、言葉にこだわりながら作り上げられているように感じます。
坂口安吾の「恋愛論」からの引用など、青くさいなーと思う部分も無きにしもあらずですが、青春小説ですしね。それもまた良しでしょう。

ただ、以前の新書版で一番好きだった文章が改訂されていて、仕方がないこととはいえ少し残念でした。
保護者の転勤によって侑斗(攻め)が北海道に戻るかもしれないと知らされ、不安と焦りと離れたくない感情のままに、二人が家出して夜明け前の海岸を歩くシーンがあるのですが、そのシーンの描写がとても好きだったんですよー。
朝日が昇る前のまだ暗く、波の音だけが聞こえる中、空の隅から少しずつ夜が明けてきて、変化していく空の色を眺めている二人の耳に

ピピという電子音が突然鳴り響いて、カナと侑斗は同時にビクリと肩を揺らした。
そして、ふたりはゆっくりと見つめ合う。確かに明けてきた夜の中、世界が始まる合図のベル。
という文章が、ものごっつ気に入っていたのですが、
そう・・・・・、ピピと鳴ったのはベル。ポケットベルなんです。
当時はポケベルの時代だったわけですよ。第1話が書かれたのは10年前ですから。
もう現在ではポケベルなんて使ってるヤツはいねーということで、文庫版は携帯電話に変えられていました。それがコチラ。

静寂に突然明るいメロディーが鳴り響いて、カナと侑斗は同時にビクリと肩を揺らした。
そして、ふたりはゆっくりと見つめ合う。確かに明けてきた夜の中、世界が始まる合図の音。
うわーん、ものすごく些細なことなんですけどね。
「世界が始まる合図のベル」の方が美しかったな〜。

・・・・・作中たった2行の文章に執着しすぎっすね。思い入れ強くてコワーイ(笑)
さて、わけわかんないタイトルの数字は、ポケベル読みで「14106=愛してる」でした。
じゅうねんひとむかし。


恋をしている君たちへ

※ 旧作(新書版)に出てくるポケベルはカタカナでやりとりするタイプのものです。
| 小説 | 00:00 | comments(8) | trackbacks(3) | ↑PAGE TOP
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コメント
こんにちは。秋花さん。
私もこのお話好きです〜。あったかい感じで。
ポケベル・・・懐かしいですよね。文章が違ったのは
残念ですが、今の時代では無理だからしょうがないかな。
そういや、斑鳩サハラさんのある作品でも、主人公が
欲しがるゲームが「セ○サターン」から「プレステ」に
変わったりしてたなあ。改訂版で。
ちなみに麻生さんの作品で一番好きなのは、「鎌倉恋愛物語」
です。兄弟ものスキーなので(笑)雨や紫陽花や鎌倉の美しい
風景が優しく書かれていて、じんわりきます。最後の一文が
通り一遍の言葉だけど、凄く印象に残ってますね。
| ぽん | 2005/08/01 1:13 PM |
こんにちは、秋花さん。

私もこの話が物凄く好きでした。
そうか…ポケベルのシーンが変わってしまったのですね。
挿絵の二ノ宮悦巳さんのイラストも込みで好きだったので、文庫版は買わないかもしれませぬ…。

私は一番好きだったのは「世界で一番の恋をしよう」だったのですが。
麻生さんの文章は癖があるというか、万人受けするものではないのですが一度読んでハマってしまうと、どれもこれも続けて連鎖的に何作品も読んでしまいます。
| 真琴 | 2005/08/02 5:27 PM |
>ぽんさん
ぽんさん、こんにちは。
ぽんさんとは好きなお話がよく被りますよね。
本当にシュミが似ていて、パソコンの前で嬉しい驚きを感じることが多いです。

ポケベル懐かしすぎです。そんなに年数は経っていないのに。
携帯電話やカメラや、ぽんさんが挙げられていたゲーム機などは移り変わりが激しいので、すぐに古くなってしまって作家泣かせですよね。
少し前の漫画を読むと、携帯電話のデカさに時代を感じます。

「鎌倉恋愛物語」は未読なんですよー。
特に理由はなく、なんとなく漏れていました。
しっとり系で凄く良さそうですね! これは買わねば♪
| 秋花 | 2005/08/03 10:48 AM |
>真琴さん
真琴さん、こんにちは〜。
私も麻生雪奈さん = イラストは二宮悦巳さんでイメージが定着してしまっています。
桜桃書房から出ていた本は、ほとんどこのコンビでしたよね。

なので実は、今回の表紙を見た時に少し違和感がありました。
小さい画像なのでわかりにくいですが、侑斗が妙にふけて見えたのもあって(笑)
作中のイラストは年相応だったので、表紙以外は合っていて良かったですよ。

「世界で一番の恋をしよう」も、いい作品ですよね。
恋の成就まで、むちゃくちゃジレジレさせられましたけどねー!
「世界で一番〜」は映像化されたら、いいかんじだろうなぁと思って読んでいました。
麻生雪奈さんの作品はどれも、映像にしたら雰囲気がある素敵な作品になりそうです。
| 秋花 | 2005/08/03 11:08 AM |
こんにちは、秋花さん。

秋花さんの記事を読んで驚きました。
「世界の始まる合図の音」が以前「ベルの音」だったとは。
近頃、昔のノベルズの文庫化が多いですが、そういう改訂もあるんですね。確かに「ベルの音」っていう響きは美しい感じがします。

最近、麻生雪奈さんの作品を読み始めたんですが、この作品ホントに好きです。
>ゆっくり噛みしめるように読み返してみました
秋花さんのおっしゃるとおり、そんな風に読みたい作品でした。

TBさせてくださいね。
| suzuya | 2005/08/17 7:33 PM |
>suzuyaさん
suzuyaさん、こんばんは〜。
コメント&トラックバック、ありがとうございました。

そして、重箱の隅な私の感想に共感していただき、ありがとうございました。
一人じゃないって素敵なことね♪ と思いました!(笑)

この作品で改訂されている文章は、ポケットベルが出てくるシーンのみでしたので、それを除いては本当に当時のままでした。
昔の素敵な作品が、このように文庫としてまた世に出てくるのは、喜ばしい限りです。
| 秋花 | 2005/08/18 9:38 PM |
こんにちはー。前回帰国時にブックオフで見かけ、「あ、これは秋花さんが紹介していた本だ・・・」と買ってみました。すごくよかったです!表現も本当に詩的で、忘れていた純情(笑)を思い出させてくれました。
で、トラバさせてくださいませ。紹介してくださる本を、いつも楽しみにしています。
| 水仙ウーロン | 2006/01/16 12:35 PM |
>水仙ウーロンさん
水仙ウーロンさん、こんばんは。
いつもコメント&トラックバック、ありがとうございます♪

この作品は、忘れていた純粋な気持ちを思い出させてくれますよね。私も大好きです。
水仙ウーロンさんのブログにあった

お互いに「これは恋かな」と感じながら、その甘い空気を壊せずに流れていく時間。
まだ人生の先が見えない状態で、会えなくなったら全てが終わってしまうと感じる気持ち。

という文章に、「そうそう、この作品からは、若いがゆえに余裕の無い二人の甘くて切ない、そんな気持ちが伝わってくるんですよねー!」と、深く共感しました。
紹介した本を気に入っていただけて、とても嬉しいです。
こういう御報告をいただけると、ブログをやっていてよかったと心から思います。
| 秋花 | 2006/01/18 11:35 PM |
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